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手の平にちょこんと乗る、赤と青の小さなカスタネット――。
小学校の音楽の授業で、みんなで叩いたあのカスタネットが、群馬県みなかみ町で作られていたことをご存じでしょうか? 
実は地元の人間もあまり知らなかったのですが(笑)、平成25(2013)年に「みなかみオンパクcocoira」という地域の活気とつながりを再生するまちづくりイベントで、「赤谷の森の恵みでカスタネットを作ろう!」と題した講座を開催したのが、地元に埋もれていた宝を再認識するきっかけでした。

カスタネットの故郷、みなかみ町

カスタネット工房(旧プラス白桜社)の創業は昭和25(1950)年。
現在は、2代目の冨澤健一さんがカスタネット作りをしています。
工房の入口には、材料となる木材が積まれ、工房の内部に入ると、ウィーンウィーンと機械を動かすベルトが回っていました。木材を円形にくりぬいたり、凹みをつけたりする機械はなんと、自前で作ったものだとか。大量生産の道具とはひと味もふた味も違うやさしさが工房全体を包んでいます。
カスタネットは、冨澤さんのお父上が、スペインの楽器をヒントに、子供たちが使いやすい打楽器として生み出し、かつては、この工房と旧倉渕村に1軒、足利市に2軒の4軒だけで年間200万個を製作し、日本中の学校に届けていました。
現在は地元の木材、そして木育(木を子供の頃から身近に使って行く)用が手に入りづらくなり、輸入材に押されて生産はストップしたそうですが、リハビリ用やお土産用を製作しているほか、みなかみ町を訪れた人が体験できるよう、いまも稼働し続けています。

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自作の機械を使って丁寧にくりぬき、内側の凹み部分を作り、ゴム穴とピン穴を開けます

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自作の機械を使って丁寧にくりぬき、内側の凹み部分を作り、ゴム穴とピン穴を開けます

重い音、軽い音、どれが好き?

カスタネットのつくり方はこうです。
材料を天日で乾燥させて1年。互い違いに風が通るようにしておいておきます。こうすることでよい音が出る木材になるのだそうです。
使っている木は、サクラ、クリ、ブナ、ミズキなど。これを丸い形に切り抜いて、形を整え、内側の凹みを作って、ゴム穴、ピン穴を開け、ゴムを通して出来上がり。
レーザーでイラストや文字を描いたりもできます。
使っている木によって肌触りも音も異なります。
例えば、桜の木は年月とともに色が変わっていくので経年変化が楽しめます。
ブナの木はピンクがかっていて木目が詰まっているから少し重い音がします。
エンジュの木は神様の木。茶色っぽく、こすると艶が出るのでコーティングしなくてもきれいな色です。
クリは木肌が荒いので、磨かずにそのままの木肌が出るようにします。
こんなふうに、それぞれの木には特徴があります。
タンタンタン、と鳴らしてみてください。あなたはどの木の音が好きですか?

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懐かしい赤と青のカスタネット(左奥)、覚えていますか?
そのほとんどがみなかみ町で作られていました。右奥から時計回りでミズキ、ブナ、サクラ

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懐かしい赤と青のカスタネット(左奥)、覚えていますか?
そのほとんどがみなかみ町で作られていました。右奥から時計回りでミズキ、ブナ、サクラ

森のMyカスタネットを作ろう

木でできたカスタネットに触れると、なんだか優しい気持ちになれるから不思議です。自然素材ですから、小さなお子さんにも安心です。
辰巳館では、夏休み期間中にお子様向けのカスタネット作りの体験教室を実施しているほか、カスタネット工房に行けば、冨澤さんから直接お話しを聞くこともできます。また、木工や七宝焼などさまざまな体験ができる「たくみの里」では一年を通じて、冨澤さんが製作した材料を使って、オリジナルカスタネット作りの体験ができます。
好きな色を塗って、お気に入りのイラストを描けば、自分だけのMyカスタネットのでき上がり。
カスタネット作りをすることで、豊かな森の水源を育む「赤谷の森」の保全にもつながります。あなたはどんなカスタネットを作りますか?
詳細は辰巳館のフロントまで。

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ナチュラルな木肌に絵付けをし、
オリジナルカスタネットを作ることができます

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ゴムは堅結びで結びます。
2回目を逆に結ぶのがポイントです

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ナチュラルな木肌に絵付けをし、
オリジナルカスタネットを作ることができます

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ゴムは堅結びで結びます。
2回目を逆に結ぶのがポイントです


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